公式ラインで『フランスのパリはどの辺りに居たんですか?』と質問を頂きました。

皆様こんばんは。
ヘアデザイナーの空(くう)です。

上記はサロン店内に掲示しているポップです。
このサイトでもLINEのQRコードを掲示しており、最近少しづつ登録者も増えています。
皆さんも良かったら登録してみてください。
割引などの案内をLINEメンバーだけに真っ先にお届けします。
LINE予約もほぼ毎日のように入るようになりました。
そんな中、本日こんな質問を頂きました。
『パリのどこでカットの修行をして来たんですか?』
と言うものでした。
私が就職したサロンは『maniatis(マニアティス)』と言う美容室で、パリ市内に5店舗の展開をしておりました。
私は日本のコーセー化粧品とmaniatisがタイアップして「マニアティスジャポン」と言うFCを多店舗展開するタイミングで、パリから上陸したばかりのマニアティスに入社することになり、その研修期間としてパリのサロンで働いていたのです。
場所はレアールと言うメトロの駅ビルにあるサロンでした。
日本語ではレ・アルとも言われているようです。
Wikpediaによるとパリの中心部に当たるそうです。
当時もパリの若者の文化の発祥の地とも言われていましたが、今も変わらずファッションの中心部のようですね。
パリジェンヌたちがたくさんおしゃれして歩いていました。
私は普段はレアールの美容室に勤務しておりましたが、masatoと言うマニアティスジャポンの代表者のヘアメークのアシスタントをメインにしておりましたので、masatoがマリクレールやエルやヴォーグなどの撮影でモデルをヘアメークするときにはパリ市内のスタジオに行って撮影の前の準備をしたり、モデルのヘアを作ったりして修行していました。
知らないパリの街で初めて行く撮影スタジオはとても緊張していたのを今も鮮明に覚えています。
地下鉄も慣れないので間違えないように地図を何も読み返してメトロを利用していました。
ところでヘアメークという雑誌などの撮影の仕事とはこんな感じです。
マニアティスのサイトにあった動画を参考にしてください。
masatoは多忙なスタイリストで、日本にFC展開をするタイミングだったこともありパリに半年、日本に半年というサイクルで仕事をしていました。
当時はサイトなどありませんでしたが、現在はこちらがマニアティスの公式サイトのようです。
当時は5店舗でしたが、今調べてみるとそのままのようです。
オフィスが1つで合計6つのマニアティスが検索結果で出て来ました。

話を戻しますが、パリの雑誌の撮影が無いときにはレアールのサロンで仕事をしていました。
そこでもアシスタントとして仕事していたので、髪をカットするのは夜の勉強会だけで、仕事中はアシスタント業務をしていました。
週に3回程度カットの勉強会が行われておりました。
マニアティスが実際に指導するのは月に一回でした。
仕事中はアシスタント業務の傍、ビデオルームでマニアティスのカット講習の動画を好きなだけ観ることができる環境が整っていました。
おそらく数百本の動画、その当時はVHSと言うビデオテープでしたがマニアティスのバックヤードの書棚に並んでいました。
私は暇を見つけては片っ端から動画を観まくっていました。
言葉も日常会話すらままならない語学力でしたので、師匠のカットを繰り返し何度も見て覚えることに全身全霊で集中していました。
美容師の世界は『見習い』の世界なので文字通り見て学ぶことが基本でしたから、ビデオルームで繰り返し師匠のカットを見れる環境は、言葉による理論よりもはるかに有効な手段であったと今振り返って思います。
ちなみにmaniatis「マニアティス」は人の名前で「ジャン・マルク・マニアティス」と言う方がサロンの創始者です。
masatoは現在はマニアティスを辞めて独立しているようです。
masatoの仕事風景がyoutubeにありました。
この両者がパリ時代の師匠に当たる存在です。
カットの勉強会で日本と違うな〜と感じたのはカットモデルについてです。
私は10代で美容師免許を取得して、二十歳を過ぎて東京に行きましたが、東京ではカットモデルをハントするのが日課でした。
渋谷のパルコで働いていましたが、公園どうりという渋谷のスクランブル交差点から代々木公園までの道を公園通りと言いますが、その中腹に渋谷パルコがあったので公園通りで毎日モデルハントしていました。
カットモデルを探すために平均2〜3時間毎日のように公園通りのモデルを探さなければカットの勉強会に出られないというシステムです。
それに慣れていた私はパリのカットの勉強会で全て店がカットモデルを用意してくれるていることに驚きました。
なんて親切なカットのトレーニングシステムなんだろう!って思いましたね。
パリ時代のカットの勉強会は主にシャンゼリゼ通りにある店舗で行われていました。
日本との違いでもう一つ大きなことは、日本ではスタイリストになるとカットの勉強会で練習しなくなりますが、パリのマニアティスでは店長でもジャンマルクマニアティスが毎月教えるカットの勉強会では全員がトレーニングを受けるようになっていました。
ところで手前味噌で厚かましい話をしますが、パリ時代のエピソードで心に残ることがあります。
自画自賛で申し訳ありませんが、入社したばかりの私はカットを勉強している同期生の中でも飛び抜けてカットが上手かったようです。
なぜならカットの勉強会が終わるころに20名ほどの訓練生に総括としてトレーナーがカットについての話をするのですが、私がカットしたモデルがいつも見本に選ばれていたんです。
同期生と言っても皆3年〜5年とマニアティスで働き、学んでいる人たちですので、私は日本から来たばかりでマニアティスのエフィラージュを切り始めたばかりの新人ですが、私のカットを講師がとても気に入っていたようです。

エフィラージュはフランス語で削るという意味です。
シャンプーして寝癖や、セットで出来た癖を一旦リセットして、毛流を見ながらドライヤーで乾かしていきます。
完全に乾いた髪をシザー(カット用のハサミ)で削るようにカットします。
エフィラージュではドライカットが基本になっています。
日本では今も濡らしてカットすることが多いと聞きますが、ドライカットする理由はお客様のヘアスタイルが普段は乾いているからです。
普段の状態を想定してカットすることで、お客様自身がご自宅でシャンプー&ドライした時とのギャップが小さくなります。
再現性と言いますが、ドライカットで髪を動かしながら指で摘んで彫刻のように削るエフィラージュはとても再現性が高いと思います。
私も国内で様々なカット講習会などに今まで参加して来ましたが、今は再現性のあるカットについての一つの結論を出しました。
それが今お話しした毛流を見ながらシャンプー&ドライする方法と、自然に近い状態に乾かした髪を手ぐしを入れながら、不要な箇所を削ることで残った毛束が作り出すヘアデザインが最も再現性が高いのでは無いかと思います。
もう少し詳しくいうと、シャンプーやトリートメントもご自身の癖を生かして、適度なボリュームアップと、毛先の自然なまとまり感を出すものがあると最強です。
この3つの要素があって初めて『はしびと流』のカットシステムが完結します。
ケミカルなシャンプーやトリートメントの話はまた次回以降のブログでご紹介しますね。
最後まで読んで頂きまして誠にありがとうございます。
ぜひ一度エフィラージュカットを体感くださいませ。
PS:今日は昨日からの雪が止んだので山中湖でドローン撮影して来ました。良かった観てください。