鏡を見ないヘアカットは造形心理学がベースにあるから
皆さんこんばんは。
ヘアデザイナーの空(くう)です。
タイトルを読んで「え?美容師なのに鏡を見ないの?・・・」
と思われた方もいるかも知れません。
「hairsalonデザイン事務所はしびと」を開業して丁度明日で1ヶ月です。
この間に多くのお客様をカットさせて頂きましたが、来店されたお客様でヘアスタイルブックを見た方は一人もいません。
そして鏡を見てヘアスタイルブックを見てヘアスタイルを決めた方ほとんどいません。
ではどうやってそれぞれに似合うヘアスタイルを決めて、カットしているのか?不思議ですよね?
それではご一緒にクチコミを頂いた方の感想を見てみましょう。
クチコミは来店するかどうかを迷っている方にとっては重要な要素となります。
クチコミに関して大きく分けると2種類のクチコミがあります。
一つ目は自然発生的に書いクチコミ。
もう一つは割引や粗品などいわゆる「見返り」を条件として書いてもらうクチコミです。
当店では純粋なお客様の気持ちを反映させるために「見返り無し」でクチコミを書いて頂くことにしています。
なのでクチコミを書いても書かなくてもお客様にはなんのメリットもございません。
私たちにとってはここは重要なところです。
では本題に戻ります。
ここで「おまかせカット」の話が出ています。
皆さんは美容室に行ってどうやってヘアスタイルを決めていますか?
なりたい髪型をヘアスタイルブックで決めますか?
私もそういう時ももちろんあります。
でもここでお客様が「お任せカット」という言葉を使っているのは不思議ではありませんか?
お客様からはお任せしたらこんな素敵なヘアスタイルになったの!
と思われていますが、実は私のカットは「造形心理学に基づいたカット」であるんです。
つまりお客様は無意識のうちに好きな髪型や、嫌いな髪型や普段の生活の中で不満のある髪型などを私に教えてくれているのです。
髪についての悩みなど様々な情報を頂いています。
私はそのやり取りを「カウンセリング」と呼んでいます。
「カウンセリング」というと心理学で使われる用語ですよね?
「造形」はカットやパーマによるヘアデザインのことです。
また話を戻しますが、鏡を見ないで何を見ているのか?
このクチコミにも出てきましたが、お客様を見ているんです。
お客様には生まれた時から決まっている毛流や髪質や骨格などがあります。
その他にも身長やファッションの好みなどの要素もあります。
それ以外にはライフスタイルがあります。
仕事の内容もヘアスタイルと関係しています。
このように「お客様を見ている」という言葉には上記で書いたような複数の要素が絡み合っている様子を見ているということになります。
複雑な要素を様々な角度で引き出し、聞き出す中でヘアデザインを組みた立ててゆくプロセスを「造形心理学カット」と呼んでいます。
例えば、私もお客様もヘアカタログを見ているとしたら、お客様の本来持っている髪質や毛流やライフスタイルを見ようとするでしょうか?
私とお客様の関心はヘアスタイルブックにでているモデルさんの髪型の分析です。
そこに意識が強く傾いてしまいやすいのです。
でもよくよく考えてみてください。
カットする人は雑誌のモデルさんでも、芸能人でもありません。
お客様自身ですよね?
そういうふうに考えていくことで気がつくと自然にヘアスタイルブックを見ないようになってしまいました。
またお客様を直視することで鏡もほとんど見ないようになりました。
もちろん最後にヘアスタイルの最終確認をして頂くために鏡を使って横顔や後ろ姿を見て頂きますが、その時だけです鏡の出番は。
人の関心領域はそんなに広くはありませんし、どちらかというと狭くなりがちです。
目の前のお客様が全ての答えを持っていると思って話をするのと、答えはスタイルブックの中や、どこかの有名人や雑誌のモデルさんだと考えているのとは大きな違いが出てきます。
お客様が全ての答えを持っていると考えるからこそ生まれてくるアイデアや発想があります。
天からのインスピレーションが降りてきます。
それに従いヘアデザインの決定をして、常に毛流を観察しながら乾いた髪をカットしていくと自然にその人に似合うヘアスタイルになっていくように思います。
そうです、美容室に行った時の主役はあなた自身であるのです。